高専ロボコンデータベースのライセンスと著作権 その13
高専ロボコンのデータベース開発の経緯から始まり、三回前から本格的にデータベースの著作権とライセンスについて調べてきました。これまで調べてきたこと、主に著作権について把握し、高専ロボコンデータベースに相応しいライセンスを決めたいと思います。
高専ロボコンデータベースの著作権
私が試作した高専ロボコンデータベースを基に可能な限り創作性に富んだデータベースを制作します。そうすることで、何か問題が起きた場合に著作権が認められる可能性を高めます。日本で作られたデータベースには著作権やそれに類する権利は制作直後に自動的に与えられないための自衛策です。
高専ロボコンデータベースには将来的に他の著作物、主に画像や文書などを含めるつもりでいますが、基本的には著作権および著作人格権などの付随する権利を放棄したもの(パブリックドメイン相当が望ましい)を格納するつもりです。また、高専ロボコンデータベースを基に別のデータベースや著作物を生成することも考えていますが、データベースの場合は具体的でなければ何も決められないので省き、その都度対処することになりますが、著作物の場合は自動的に著作権で保護されます。
高専ロボコンデータベースのライセンス
高専ロボコンデータベースはこの記事のシリーズ冒頭からの開発経緯で紹介しましたが、多数の方々からのご協力によって基になるロボット名のデータが集まりました。そうした方々への感謝の証としてデータベースを公開し、閲覧するだけでなく、データを利用して新たにデータベースや他の著作物を創作するなど、自由に利用してもらうことを目的の一つとします。そこで、使用許諾を与える条項が書かれた「ライセンス」を適用して示しておくことで*1その目的を達成しやすくします。
データベースに適したライセンスを二つクローズアップしましたが、次の理由で Creative Commons 表示 4.0 国際(CC BY 4.0)を適用したいと思います:
- Creative Commons および Open Data Commons が策定したライセンスはどちらもオープンなデータベースに対応しているが、日本語、日本の法律に擦り合わせを積極的に行う組織が Creative Commons にしかない。*2
- 高専ロボコンデータベースは主として日本語ドメイン*3で開発・公開するので、日本語に適訳された公式のライセンス文章が必要だが、それが存在するのは Creative Commons のライセンスであり、Open Data Commons のライセンスにはそれは存在しない。
- データベースの利用者の誰もが読みやすい要約されたライセンス表示の日本語版は Creative Commons にしかない。
- 日本では、データベースに著作権とそれに付随する権利が自動的に与えられず、また将来EUのデータベース権と同等の権利が与えられる可能性はないとは言えないため、ライセンスの吟味または変更なしに対応したいが、それが可能なのは日本支部関係者で擦り合わせ作業が行われた Creative Commons 4.0 以降のライセンスだけである。*4
- データベースに著作物を含む場合、データベースを基に他のデータベース(翻案)や著作物を生成する際に、統一されたライセンスを適用することができるのは Creative Commons 4.0 以降のライセンスだけである。