高専ロボコンデータベースをつくっていくブログ

高専ロボコン第30回大会を終えてこれからも面白いロボコンであってもらいたいということで最近の高専ロボコンに感動した自分が満足できそうなデータベース構築のために情報を蓄積していくためのブログです。

高専ロボコンの賞 その2

 高専ロボコンに参加する現役生や高専ロボコンファンはそろそろ第30回大会のテーマとルールが気になりはじめる頃だと思います。私もその一人です。よくテーマとルールを予想していましたが、ひと昔前、私はそれまでにないテーマとルールを凡そ言い当てたことがありました。他のロボコンにない魅力を持ち続けて欲しいという願望で予想をこっそり公開していたのですが、独特な得点方式がかなり似ていたことを思い出します。テーマはやり尽くされた感じがしますが、限りなくあるような気がします。

 私は昔の高専ロボコンの白熱した試合に多かった接触しながらの鍔迫り合いが見たいので、重量が小さく発火・爆発し難い二次電池(または乾電池)を搭載する完全自立型のロボットが接触ありきで行動するルールの採用を望みます。自立型の子機と操縦型の親機という組み合わせが妥当でしょう。過去の大会で近いものといえば第11回大会『生命上陸』でしょうか*1。接触ありきにすることで外装の重要度が増すと思いますし、自立型で接触という外乱を考慮したナビゲーションを確立した上で、高専ロボコン特有のモノ(またはヒト)を運ぶというテーマ*2は結構ハードルが高い気がしますが、挑戦し甲斐があると思います*3*4*5

高専ロボコンの賞つづき

様々な賞

完全燃賞

 第1回大会『乾電池カー・スピードレース』でのみ設けられた賞です。アイディア倒れに終わったチームの中で完全燃焼したチームに与えられる賞であると番組中に説明があるのですが、ルールが違えば最高のアイディアであったに違ないチームに送られる賞であったのだろうと思います。この賞を受賞した長岡高専のダム号は他のチームが一人乗りの中で敢えて二人乗りで挑戦し、3分57秒もかかりましたが完走しました。さらに大会終了後には5人載せて走ってみせていました。またマンガン電池の特性を熟知したエネルギーの取り出し方も評価されていました。他の大会で、決して強いロボットではなかったにも関わらず、全くことなる方向でアイディアを具現化させたチームに大賞が授与されたことがありますが、この賞は授与されたチームを考慮すると大賞に近いのではないかと思います。 

  • 開始:第1回大会『乾電池カー・スピードレース』
  • 中断:第2回以降設定されず
  • 受賞校数:1
  • 授与品・贈呈品:?
  • 受賞校:長岡
ベストデザイン賞

 現在続いているデザイン賞と扱いを一緒にするべきでしょうが、名称が異なるということで、この記事では別の賞として扱うことにしました。高専ロボコンDBでは、内部の区別は別にしますが、デザイン賞と同一視して情報表示をすることに意見が一致しています。

 受賞した富山商船(現富山射水)の「鉄砲魚」は打ち出し式にも関わらずバスケットドリブル機能を備えていたといいます。手許に映像資料がないので分からないのですが、そのデザインを知りたいところです。

  • 開始:第1回大会『乾電池カー・スピードレース』
  • 中断:第2回以降設定されず
  • 受賞校数:1
  • 授与品・贈呈品:?
  • 受賞校:富山商船(現富山射水
応援団賞

 全国大会では、出場するチームの応援をしようと各校・各キャンパスから応援団が駆けつけますが、彼等の応援を表彰する賞です。ロボットに全く関係のない賞ですが、この賞があった当時の雰囲気を想像するとチーム以外の方々も楽しめていたに違いないと思いたくなります。

 NHKのウェブサイトでは、第8回神戸市立と第9回函館の応援団賞の記載がありません。記載を忘れているのだと思います。

 他の開発者からの情報によると第3回もこの賞があったそうです。確認中です。

  • 開始:第8回大会『ドリームタワー』
  • 中断:第11回以降なし
  • 受賞校数:1
  • 授与品・贈呈品:?
  • 受賞校:神戸市立、函館、弓削商船
優秀賞

 どういう位置づけの賞、どういうロボットまたはチームを表彰する賞だったのかが分かりません。詳しい方の登場を待ちます。

  • 開始:第9回大会『テクノカウボーイ』
  • 中断:第10回以降設定されず
  • 受賞校数:1
  • 授与品・贈呈品:?
  • 受賞校:釧路、久留米 
芸術賞

 第10回大会『花開蝶来』のみ審査員による芸術的感想を離散的な段階で表す「芸術点」が採用され試合の点数に加えられていましたが、批判があったのか、次の大会以降に引き継がれることはありませんでした。代わりに芸術賞が設けられ、何回か続きました。

 外装や構造による機能美だけでなく動き方がアーティスティックなどの理由で表彰するためにこの賞が復活することを望みます。

  • 開始:第11回大会『生命上陸』
  • 中断:第13回以降設定されず
  • 受賞校数:1
  • 授与品・贈呈品:?
  • 受賞校:小山、札幌市立
デザイン賞

 ベストデザイン賞、芸術賞を経て、21世紀に入ってから設けられた賞です。高専ロボコンDBでは、それらとデザイン賞を内部で区別はしますが、表示上は現段階で一緒の扱いをすることにしています。

  • 開始:第14回大会『 Happy Birthday 39』
  • 中断:なし
  • 受賞校数:1
  • 授与品・贈呈品:?
  • 最多受賞校:育英(現サレジオ)、大分、都城、ともに2回
  • 連続受賞校:育英(現サレジオ)第14-15回
特別賞

 2001年第14回大会のみの賞です。その後の企業名や団体名を含んだ賞に繋がるのかはわかりませんが、この大会で優勝候補の一つされた豊田の点火無敵に対する評価でもあったのではないかと推測しています。詳しい方の解説を待ちます*6

  • 開始:第14回大会『 Happy Birthday 39』
  • 中断:第15回以降なし
  • 受賞校数:1
  • 授与品・贈呈品:?
  • 受賞校:豊田
大会名が入った賞

 これまでに次の賞がありました。

  • ふるさと自慢賞
  • 風林火山
  • 生命大進化賞
  • ベストカップル賞
  • 激走賞
  • ロボ・ボウル賞
  • ベスト・ペット賞
  • シャル・ウィ・ジャンプ賞
  • 出前迅速賞

 この賞を解説してくださる方を待ちます。

  • 開始:第19回大会『 ふるさと自慢特急便』
  • 中断:第28回以降設定されず
  • 受賞校数:1
  • 授与品・贈呈品:?
ベストビデオ賞

 2008年第21回大会『 ROBO-EVOLUTION 生命大進化』から全国大会でロボットとチームを紹介するビデオが試合直前に流すのが始まりましたが、その中で秀逸なものに対して表彰する賞です。何故第26回大会で表彰することにしたのかは分かりませんが、年々面白いビデオが増えているので復活して欲しいと思います。

  • 開始:第26回大会『Shall We Jump?』
  • 中断:第27回以降設定されず
  • 受賞校数:1
  • 授与品・贈呈品:?
  • 受賞校:福島

*1:あの大会では、島に上陸できるロボット(子機)はバッテリー搭載のものが多くありましたが、どのような種類のものが使われていたのでしょう?

*2:メインテーマではないこともありますね。

*3:国技館では地下の鋼鉄製構造物などの影響でデジタルコンパス(2軸・3軸どちらも)が機能しないと聞きました。

*4:鈴鹿高専が得意そうですね。

*5:電波法で許される範囲でWifiやSub-GHz帯などを利用して無線基地局を幾つか作り、ディレイを利用して位置と向きを特定するというのを作ってきそうなチームがいそうです。

*6:事実上の電気事業連合会賞といってもいいのでしょうか?