高専ロボコンデータベースをつくっていくブログ

高専ロボコン第30回大会を終えてこれからも面白いロボコンであってもらいたいということで最近の高専ロボコンに感動した自分が満足できそうなデータベース構築のために情報を蓄積していくためのブログです。

データベースをつくっているけれど・・・高専ロボコンに関する文書群が増えて欲しい

 深夜に各地区大会の番組が再放送される季節となりました。私は寝不足にならないように録画してから視聴しています。

 さて、先々月、気になる呟きをみかけていました。

高専ロボコン博物館Wiki」なるサイトが存在しているのかと思って検索してみましたが、検索結果の最初のページにはなく、どうやら存在はしていないようです。残念に思ったのと同時に、過去にいくつも存在した高専ロボコンを扱っていたサイトのことを思い出してしまいました。私(私達)は先ずはロボット名(チーム名)の収集から始め、その後試合内容などを網羅したデータベースを構築してますが、将来的には付随させたい情報が幾つかあるので様々な情報を調べるにあたり、ある程度情報が集約されたサイトがあれば頼もしいと思っています。

過去にどのようなサイトがあったのか?

 最近は、NHKNHKエンタープライズなどの放送・制作者やROHM社などの協賛企業による、高専ロボコンの映像や情報が得られる公式ウェブサイトや特集ページがありますが、高専ロボコンが始まってから四半世紀が過ぎた頃からようやく充実した印象です。そうした高専ロボコンの情報を扱うウェブサイトの変遷があるのですが、公式や協賛企業のについては他所に譲るとして、当時の学生やOB、または一般の視聴者によるかつて存在していた幾つかの代表的なウェブサイト思い出してみます。高専ごとに、ある期間だけ、当時の学生が維持していたらしいウェブサイトは沢山ありましたが、そのほとんどは割愛します。また、交流会などに関するウェブサイトも割愛します。どちらかというと、全国的・総合的な情報集約と公開を目的にしたウェブサイトや地区大会に特化したページに注目します。

Lui's LABO

Lui's LABO.

 2000年第13回大会「ミレニアムメッセージ」全国大会で大賞を受賞した長岡高専「長岡猿軍団」のリーダーであった佐藤塁さんのウェブサイトです。当時は多数存在していた、活動報告、技術公開、交流希望などの情報を載せたサイトの一つではありましたが、ロボコンなんでも投票と称して当時の人気機体投票や、歴代の名・迷機体の投票が行われていました。簡単な投票機能でしたが、大会番組が扱った機体や人々とは異なる角度で参加機体への評価がわかりました。高専ロボコン史上ではこれが最初の人気投票でしょうか*1。それにしても鶴岡高専の「ガラクテックキャノン」が好きな方の割合が高ったようですね。

熊本電波工業高等専門学校ROBOCON TEAM's Web Site

熊本電波工業高等専門学校ROBOCON TEAM's Web Site

 熊本高専熊本キャンパスが熊本電波高専であった時代にロボコンに参加していたチームが運営していたウェブサイトです。ROBOCONクイズという誰でも問題登録可能な三択クイズが出題されるページがありました*2。非情に気になったのでこのクイズを体験した方の情報をお待ちしています。高専ロボコン史上最初のクイズ・検定でしょうか?

TUMOCHAN's website.

TUMOCHAN's website. / 高専ロボコン関連

 現存していますが、高専ロボコン関連の情報更新がされていないウェブサイトがあります。高専ロボコンに参加していたらしい徳山高専OBの方が2013年まで更新していた"TUMOCHAN's website."がその一つです。映画『ロボコン』のロケ地探訪や、第10回大会から第26回大会までの中国地区大会の詳細が画像付きで残されています。最近は地区大会の試合結果や試合動画が公式ウェブサイトで閲覧できますが、しばらくするとページが無くなってしまうことが多いので、このウェブサイトのように各地区毎に残されていって欲しいところです。

今も現存するウェブサイト

 前出のサイトは全てインターネットアーカイブに眠ってしまっていたか更新がされていませんが、次のサイトや活動は、断絶があったものもありますが、現在でも更新されているものが殆どです。

"KOBE Roboken" -神戸高専ロボット工学研究会-

robo-ken.soc.or.jp

 近畿地区勢の中でも最近最も勢いが感じられるチームの一つである神戸高専ロボット工学研究会の旧い方のウェブサイトです。公式ウェブサイトはありますが、個人で運営していた旧いウェブサイトを残しています。その旧い方には、全国大会と近畿地区大会の詳細な情報が掲載されています。全ての大会が同じ水準で網羅されてはいませんが、試合の点数や経過などの詳細な情報や、番組では扱われなかったロボットの詳細などの情報が少しずつ常に追加されてきたようです。自校の情報のみならず、近畿地区を中心に*3情報を蓄積して維持していることを尊びたいです。

昔からのウェブサイトを維持しているといえば

高専ロボコン、小山高専ロボット製作チームHPへようこそ!

 昔からのウェブサイトを維持してきたチームをもう一つ挙げられるとすれば、小山高専ロボット製作チームでしょう。1998年頃から続けられています。公式ウェブサイトではありますが、ドメインが小山高専ではなく、チームの顧問を勤める田中昭雄教授*4が個人で管理をされているようです。続けて欲しいですね。

高専ロボコン大辞典と歴史館

 全国大会を中心に高専ロボコンを綴っていたウェブサイトがありました。有明高専OBによるもので、何度かサイト移転などがあったようですが、2004年第17回大会マーズラッシュに関する情報まで扱われていました。全国大会をまとめ上げる活動は一時期途絶えていましたが、Facebook版の高専ロボコンデータベースとして復活しています。

高専ロボコンデータベース FB版

サークル flying gears

flyinggears.hatenablog.jp

 ウェブサイトが中心の活動ではありませんが、高専ロボコン全般と関東甲信越地区大会の話題を中心に冊子を作って、コミックマーケットや技術書典で販売しているサークルがあります。2013年頃から活動を始めたようで、現在まで続いています。私も購入したことがあるのですが、試合内容などが詳細に記述されているなど、丁寧に作り上げられているように感じました。

AQUA CRESCENT

AQUA CRESCENT ... 高専ロボコンデータ記事

 「投げやりデータベース」と称して、番組視聴者の視点で独自の見解や感想を加えた情報を掲載していて、楽しく昔のロボコンから最近のロボコンまでの情報を知ることができるブログです。ロボット名の収集に利用させて頂きました。

どんな文書が増えて欲しいか

 全ての大会、全ての地区の情報は勿論あったほうがよいですが、様々な側面から照らした高専ロボコンの文書や資料があってもよいと思っています。個人それぞれの得意な分野に関することや関わっていた時代の頃のことが書かれ、散在していたとしても、ネット上で一つの文書群として扱えるようになっていればよいと思います。

専門的な文書

 本格的な技術文書を散見することはあるのですが、ロボット学会誌や高専紀要などで発表されたロボット一台に関する論文形式の文書が殆どです。論文形式で整っていなくても、ある程度体裁が整っていて読み易く資料性が高い文書がいくつもあればと思います。出来れば、ロボット一台だけではなく、総括的な文書が増えていって欲しいところです。理想とすべきは、学生時代からRoboCupに参加していて、ロボットの研究の傍らこれまで様々なロボット・コンテストに参加し、高専ロボコンの無線監理の経験もある、五十嵐広希さんによる「高専ロボコン無線運用について」のページにある文書群でしょう*5ロボコンマガジンなどに掲載された文書は資料的価値が高いと思います*6。ここまで詳しくなくても、番組では分かり難かったことや解説されていなかったこと、その時点で公開されている情報では分かり難いところをもう一段深堀して解説したものでも高専ロボコンファンには十分だと思います。

sites.google.com
sites.google.com

クロニクル

 深い技術的・専門的なことに拘らなくても、時系列に沿った変遷話が文書としてまとまっていればと思います。例えば、次の題材はどうでしょう。色々と問題がありそうなのがありますが。

  • モーター回り
    • モータードライバーなどを殆どのチームが使っていなかったモーターとスイッチを繋いだだけの時代から、リレーで制御するのが当たり前になり、さらにはモータードライバーを介すようになり、主流になるかもしれないBLDC(主に三相DCブラシレス)モーターまでの変遷など
    • マクソン
      • 最初に使ったチームはどこなのか?
      • 成績上位・授賞チームのマクソン率
  • エアシリンダー関連*7
    • エアシリンダーではないが、気体の膨張を動力に使ってきた機体名鑑
      • やっぱり近畿地区の幾つかの名機(迷機)は外せない?
    • エアタンク
      • 八代の本気の宅配便の影響はあったのか?
    • バルブ
      • 自作バルブで高い競技力を発揮した機体が幾つかありましたね。
  • 有線/無線コントローラー
    • ベースギター、マスタースレーブシステム、DJブースなどなど、コントローラーの画一化が進んでしまった最近の高専ロボコンとは異なる時代のロボットよりも目立っていたかもしれないコントローラー特集*8
    • 有線コントローラー技術の最高峰、光ファイバー通信にまで至った、有線の歴史
      • 徳山Fly Do ポテット Sの謎
    • 赤外線通信時代
      • 混信
    • 無線通信方式自由化時代
      • なぜ強豪の詫間(全国優勝4回)や一関(全国優勝3回)はラジコンバンドを使うのか?
  • 自動化
  • 二足歩行
  • 画像処理
  • センサー
  • 合体
  • チーム紹介動画
  • 今だから語れる先手必勝アームから始まる妨害史
  • 掲示

地区毎の傾向、学校/キャンパス毎の特色、それらの変遷を他校/他キャンパスの現役・OB・ファンの見解をまじえて文書化されると面白そうですよね*9

*1:更新されなくなった後の数年間、人気投票を引き継いだのは神戸高専ロボ研でしょうか?

*2:クイズをやってみた記憶がないので、実際にやってないか、忘れてしまっています。

*3:一部関東甲信越の情報もあり

*4:2015年からロボコン事務局の競技専門委員を務めていらっしゃいますね。

*5:ロボコンマガジンに掲載された一連の文書には久留米高専や呉高専の現役の学生の記事も含まれていましたね。

*6:私もそのページにある書籍は購入しています。

*7:扱ったことがないので経験者に語って欲しいところです。

*8:昔の大会だと、軍手に接点をつけたコントローラーがありましたね。

*9:ウェブ上に面白い文書が増えるといいな。