秋田高専B BLUE HAWAII(ブルーハワイ)
試合内容
初戦1回戦第5試合
仙台高専広瀬キャンパスBチーム「ぱせり」と対戦。
試合序盤、秋田は開始20秒で自陣ポール3本に輪を入れ3対2と仙台広瀬をリードしたまま試合を優位に進めたかったが、38秒で3対3と同点になり、ここから同点と逆転が交互に訪れた接戦となっていった。
59秒、秋田は執拗に狙っていた相手陣右に輪をいれてリードすると、離されまいと仙台広瀬が1分11秒に中央2.5m右に輪を入れて4対4の同点に。得点後の秋田は相手陣に輪を入れるのに輪を消耗したため輪の補充でスタートゾーンに戻らざるを得なかった。その隙に仙台広瀬に1分17秒に中央2.5m左に輪をいれられ4対5と逆転されてしまった。
1分47秒、仙台広瀬に中央3mに輪をいれられ4対6とリードを広げられるが、直後に秋田は相手陣左に輪を入れて5対6とした。この後1分ほど両者得点できずにいた。
試合終了間近の2分50秒、秋田は相手陣左に輪を入れて同点に、そしてその3秒後、立て続けに同じポール輪を入れて7対6と逆転に成功。さらに2秒後の2分55秒に相手陣左に輪を入れられ8対6とリードを広げることに成功し、そのまま試合時間終了。終盤怒涛の連続得点で秋田が接戦を制した。
2回戦第3試合
鶴岡高専Aチーム「イカ略!?」と対戦。1回戦よりも忙しい接戦になるとは秋田のメンバーは予想していなかったに違いない。
序盤早々、相手のリードを許さない展開となり、開始26秒で3対3と同点。中央ポールと相手陣ポールでの勝負へと移った。
58秒に秋田が相手陣左に輪を入れてリードすれば、1分1秒に鶴岡が中央ポール2.5m右に輪をいれて直ぐに追いついて4対4の同点。
1分14秒に鶴岡が中央ポール2.5m左に輪を入れて逆転すれば、1分16秒に秋田が相手陣中に輪を入れてリードを許さず5対5の同点。
1分24秒に秋田が中央ポール2.5m右に輪を入れて再逆転すれば、1分29秒に鶴岡が中央3mに輪をいれてリードを許さず6対6の同点と、お互いリードを許さず試合を折り返した。
後半、両者ともに輪が入らなくなり、膠着状態となるが、秋田は1回戦で見せたように相手陣ポール(右)に狙いを定め、連続得点でリードする戦術を選んだ。狙ったポールの前に防衛しながら遠くの相手陣ポールを狙うしかない鶴岡がイカを正面にして立ち塞がり、何本かの輪が弾かれたが、2分40秒に「イカ略!?」の機体の頂を掠め、秋田の輪は吸い込まれるようにポールに入り、6対7とリードし、そのまま試合時間終了。息詰まる接戦を秋田が制した。
準決勝第1試合
前の試合でVゴールを見せた優勝候補の一関高専Bチームの「百式砲(ヒャクシキホウ)」と対戦した。開催地は秋田で、トーナメントの反対側でAチームが勝ち上がってきていた。同校対決という、彼ら史上最高の成功を夢にみていたっておかしくはなかった。
開始11秒、自陣ポール3本に同時に輪をいれる能力がある一関が2本外し、秋田にまたとない機会が訪れた。輪の装填から一関が戻ってくる前に大量のリードを築きたかったに違いない。秋田は前の試合までのように自陣ポール3本に次々に輪を入れ、さらに調子で相手陣左にまで輪を入れた。開始36秒で1対4、ここまで外した輪はなく、流れは秋田にあった。一関が自陣ポールで2点目(40秒)を入れてまたスタートゾーンに戻っていった後、秋田は一関の出入りで妨害されそうな相手陣ポールから狙いを中央ポールに切り替え、58秒に中央2.5m左に輪をいれてリードを伸ばした。このままの勢いであれば、勝てそうであった。
試合中盤、1分24秒に一関が自陣ポール3本目に輪をいれると、短時間の得点能力ではBLUE HAWAIIを圧倒的に上回る性能を発揮して、1分38秒に中央2.5m左、中央3mを入れられ同店に、1分42秒に一関からみて相手陣左右に輪を入れられ7対5と20秒足らずのうちに逆転されてしまった。そしてその2点差を守るためにBLUE HAWAIIが得意の相手陣ポールの前で防御体制をとられてしまった。
秋田は相手陣ポールの右や中を狙って何度も輪を放つが、一関の防御でその輪は悉く弾かれ続けた。勝てる見込みが無くなった試合時間終了直前、一関の防御装置を掻い潜るように輪が相手陣ポール中央に吸い込まれていき、7対6まで迫ったが、秋田は負けた。最高の状況は迎えられなかったが、3試合連続して試合終了間際に相手陣ポールに鮮やかに輪を入れたことは記憶に残されるべきである。
秋田高専B BLUE HAWAII(ブルーハワイ) 画像URL
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特徴
- 移動システム:四輪オムニホイール+四輪補助輪
- 射出エネルギー源と格納方法1:圧縮空気(金属製エアタンク)
- 射出装置1:エアシリンダ押出カタパルト(サイドスロー・スピン型)(汎用)x1
- 照準/測位システム:なし(目視)
- 通信システム:未確認
- コントローラー:ゲームパッド
- 操縦者:1名
- 自律機能/自動機能:未確認
- 妨害装置:なし
射出装置
エネルギー源に圧縮空気、その圧力で動くアクチュエーターにエアシリンダーを採用したサイドスロー型の射出装置を実装している。エアシリンダーの伸張が、リンクを介して輪を引っ掛ける特殊な「指」がついた「腕」を振る動きに変換される。「腕」が振られると「指」に引っ掛けられていた輪がトロイダル方向に回転しながら機体正面方向に飛んでいく。
「指」は一定以上の遠心力が掛かると直角に折れ曲がった「指」がその力の大きさに応じてまさに「指」のように開くように調整されており、輪を離したい最適の瞬間に直角以上の最大の角度で開く。その瞬間に「指」に引っかかっていた輪が回転しながら「指」を滑るように移動しやがて離れて飛び立っていく。
全国的にも少ない非常にユニークな機構である。同様の機構を採用したロボットといえば地区大会では二つのVゴール勝利をしていた都城高専の「うり棒ブラザーズ(ウリボウブラザーズ)」が思いつく。「指」の有無という違いはあるが、BLUE HAWAIIもうり棒ブラザーズ程度のポテンシャルがあったことは否定しにくいだろう。*1
成績上、うり棒ブラザーズが同型機中ではよくみえてしまうので、間違ったまま記憶しそうになるかもしれない。BLUE HAWAIIは自陣ポール専用の射出装置を用意せず、サイドスロー型の射出装置一つを汎用的に使い、あの三つの接戦試合をしたことを留めてもらいたい。輪の射出時の仰角は固定されているため、輪が飛行すべき距離が大きく異なる自陣ポールと相手陣ポールとでは輪に与える初速度が大きく異なるはずだが、その調整が完璧に行われていたことに注目すべきである。どういう調整であったのだろうか?
因みに、推薦されて全国進出できた同校Aチームの「ワッカマン」よりも1試合少ないのに全試合得点の合計が3点多かった。これも評価されるべきだろう。
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