高専ロボコンデータベースをつくっていくブログ

高専ロボコン第30回大会を終えてこれからも面白いロボコンであってもらいたいということで最近の高専ロボコンに感動した自分が満足できそうなデータベース構築のために情報を蓄積していくためのブログです。

仙台高専広瀬キャンパスA Onyx(オニキス)

 2016年第29回大会の競技テーマとコンセプトが正式決定されました。「ロボット・ニューフロンティア」です。ところで、ルールが先行発表され、テーマ/コンセプトが後日発表されたのは初めてなんでしょうか?

[高専ロボコン]ルールブック

 大きく分けて三つの課題があります。人によっては四つとするでしょう。ニューフロンティア(新大陸)に運ぶべきブロック(箱)が置いてあるロボットが接地可能な島が浮かんだ接地禁止ゾーンの海を船に見立てた3つの車輪がついたスケートボードのようなものを使って渡るというテーマを表しているような大障害の克服が課題の一つとなっています。渡る前にブロックで灯台を作る課題と、渡ってから新大陸に渡る前や島のブロックで対戦相手よりも高い砦を築き、さらにその砦の上にチームのシンボル(オブジェ)を置くという課題があります。

 どういうロボットが出場してくるのか?今から楽しみです。私だったら、いくら展開無制限とはいえ大きなものは遠慮して(でも現役生にはそういうの期待してますよ)、2005年第18回大会「大運動会」で全国優勝した津山高専の「単構造(シンプルストラクチャー)」のような課題克服汎用性が高い機体にして、振る舞いをソフトウェアで書くか学習させます。*1

試合内容

 初戦、2回戦第2試合、輪を回して入れていく秋田高専Aチームの「ワッカマン」と対戦した。仙台広瀬のOnyxは序盤でリペアを宣言して躓いた。試合半ばにスローゾーンに復帰したが、秋田に三点差をつけれられていた。自陣ポールの位置あわせに苦労していたようで、1分53秒にようやく自陣ポール1本に輪をいれることができたが、またスタートゾーンに戻るなど、ポールを狙う時間よりもスタートゾーンにいた時間のほうが長かった。試合は3対1で負けてしまった。

仙台高専広瀬キャンパスA Onyx(オニキス) 画像URL

東北地区大会 出場校データチェック ページより

上記サイトの都合で画像が閲覧できないことがあります。

特徴

  • 移動システム:四輪オムニホイール
  • 射出エネルギー源と格納方法1:圧縮空気(ペットボトル)
  • 射出エネルギー源と格納方法2:二次電池(+圧縮空気(ペットボトル))
  • 射出装置1:エアシリンダ押出カタパルト(押出型)(自陣)x3
  • 射出装置2:2軸2モーターの挟み型ローラー(縦挟み)(中央・相手)x3
  • 照準/測位システム:距離センサー利用?
  • 通信システム:未確認
  • コントローラー:ゲームパッド+通信デバイス拡張
  • 操縦者:1名
  • 自律機能/自動機能:射出位置に自動移動?
  • 妨害装置:なし

移動量

 仙台広瀬のOnyxが輪をトロイダル方向に回転させて射出するのを披露できずに大会を終えてしまったのは、リペアでスタートゾーンに戻らざるを得なかったこともあるが、自陣ポールへの輪の射出位置の調整に手間取りすぎていたことも原因だろう。出場校データチェックのページにはセンサーをつかって自動的に位置あわせが可能な記述があるが、実際にその機能を使っていたのか手動であったのか分からないが、車輪の回転速度が速すぎで、射出位置と方向(角度)をオーバーシュートしていたことは否めないだろう。もし位置制御のみをしていたなら、単純に車輪の回転速度を落とすだけで対応できたただろう。またもし速度まで考慮していたなら比例要素のゲインが大き過ぎ、差分要素のゲインが小さ過ぎたのが原因であろう。*2

 ひょっとすると、故障したのかもしれない。高速で位置あわせするところが見たかった。

射出装置

 輪を偶数個のローラーで縦に挟む射出装置でトロイダル方向に輪を回転させるのは全国でもこのチームだけであろう。棒などを使ってその方向に回転させるチームはあったが(以下の過去記事参照)、輪の左右対称線から右側寄りを二つのローラーで挟んでそうした回転を与えるのは思いつくかもしれないが、設計(この場合は輪の大きさや挟む位置などのパラーメーターの決定)は困難だったかもしれないので、「試合で」輪を入れるところを披露して欲しかった。

kosen-robocon.hatenablog.jp

kosen-robocon.hatenablog.jp

*1:余計なことを書いた気がするな...

*2:もし実装していたとしたら恐らくPD/PID制御だと思います。