高専ロボコンデータベースをつくっていくブログ

高専ロボコン第30回大会を終えてこれからも面白いロボコンであってもらいたいということで最近の高専ロボコンに感動した自分が満足できそうなデータベース構築のために情報を蓄積していくためのブログです。

鹿児島高専A 八砲美迅(ハッポウビジン)

 このブログの文章堅すぎだし、それが遅筆の原因の一つでもあるし、もう少しフランクに素早く書いてみます。

第一印象は素早い

 2回戦第2試合から登場の鹿児島高専Aチームの八砲美迅は対戦した佐世保高専Bチームの「パっちん9-ぶ(パッチンキューブ)」に19秒で3対3で追いつかれるも常に試合をリードし、Vゴールに相手陣ポール一つ残したまま5対9で勝利。次の準々決勝第2試合で前回大会の優勝・大賞校である熊本高専八代キャンパスBチームの挑戦車(チャレンジャー)と対戦。開始18秒までは同点であったが、それ以降はリードを許し、51秒でVゴールを達成され、負けてしまった。

 鹿児島高専A 八砲美迅(ハッポウビジン) 画像URL

NHK高専ロボコン ライブストリーミング サイト 九州沖縄地区大会 出場校データチェック ページより

上記サイトの都合で画像が閲覧できないことがあります。

  • 駆動方式:四輪オムニホイール
  • 射出エネルギー源と格納方法1:圧縮空気(ペットボトル)
  • 射出装置1:エアシリンダ押出カタパルト(航空母艦型)(自ポール)
  • 射出装置2:同上(航空母艦型)(相手ポール)
  • 射出装置3:同上(オーバースロー型)(中央ポール)
  • 照準/測位システム:なし(目視)(フェンスの段差を利用)
  • 通信システム:未確認(アンテナ1本)
  • コントローラー:自作
  • 操縦者:1名
  • 自律機能/自動機能:なし
  • 妨害装置:なし

四輪オムニホイール

 駆動輪にオムニホイールを採用しています。2輪が同一回転軸上に配置され、その軸が2組でちょうど十字に(直交するように)配置されています。4隅の配置ではなく、4辺の配置となっており、スタート位置からポールまで移動するのに4輪同時に駆動させる必要を可能な限り減らしていると想像できる構造です。*1

f:id:Matthew:20160104123154p:plain*2

 出場校データチェックのページではオムニホイールの設置力を高めるために「柔らかく」したとあります。具体的なことはわかりませんが、恐らくサスペンションと呼んで良い構造になっているのだと思います。射出装置との柔剛対比表現から想像すると、自動車によくあるトーションビームのようなものでしょうか?

 ところで、オムニホイールが動いているところを初めてみたのは初期の頃の大学ロボコン(現学生ロボコン)の番組でした。高専ロボコンで初めて採用したチームはどこなんでしょう?

エアシリンダーだけで3種の射出機構を実現

 自陣ポール用にリンクを使った射出機構が1砲、相手陣ポール用にエアシリンダーの伸長をそのまま輪に伝えて飛ばす射出機構が5砲、中央ポール用に中世までの城攻めに利用されていたオーバースロー型の投石機のような射出機構が3砲装備されている。ポールの種類毎にエネルギー源とアクチュエータを用意する設計が多々みられる中で一つに絞っているところは評価されるべきでしょう。出来れば射出機構も1種類であったらと思いますが、圧縮空気の圧力・流量の制御が難しいのと今回のルールではポールの種類に合わせたほうが良かったのでしょう。*3

  合計9砲もあるのに、名前が「八砲」美迅なのは何故なのか?砲の数え間違いをしているんだろうか?

命中精度

 八砲美迅の試合を見ていて思いついたが、試合映像から命中精度、得点確率と言ってもいいかも知れないけれど、それを出せればと幾つかの映像を見てみたんだが、とても数えるられる映像ではなかった。二つのチームのロボットと操縦者にそれぞれにフォーカスされている時に輪を入れ損なってフィールドに落ちた輪の個数を数えられないのである。数えていたという奇特な方はいらっしゃいませんか?

*1:本当のところはどうなんだろう?

*2:とあるオンラインペインターで描いたら下手過ぎて泣けてきた。

*3:射出機構をどういう構成にするかを決める判断方法、アルゴリズム、または計算は存在しそうですね。