高専ロボコンデータベースをつくっていくブログ

高専ロボコン第30回大会を終えてこれからも面白いロボコンであってもらいたいということで最近の高専ロボコンに感動した自分が満足できそうなデータベース構築のために情報を蓄積していくためのブログです。

呉高専A Infinity-1(インフィニティ インバース)

  家業で、ちょっとだけの間、温度と湿度を計測してみたいと思っていて、どうやってIoT化しようかと思案しているんですが、現在購入できる限りではWifi中継器とゲートウェイを別個に用意しないといけないので、Raspberry Piなんかで簡単に利用できるWifi HaLowデバイスの登場・市販を待っています。規格は決まったそうですが、再来年以降でしょうか、手に入れられるのは。

天国から地獄

 初戦、1回戦第6試合の対戦相手は徳山高専Bチームの「あーちぇりん!」であった。開始30秒頃、徳山は進入禁止ゾーンに入って動けなくなっていた。呉は既に自陣ポールを獲得し終え、中央と相手陣のポールを狙うのみで実際に輪を射出していたので、徳山はロボットをリペアできず呆然と立っているだけだった。一度自陣側を向くかスタートゾーンへ戻るかの武士の情けがあってもよさそうであったが、トーナメントに勝ち抜かないと全国大会へ行けるかどうかは全く読めない高専ロボコンであるため、その選択はしなかったようだ。ちょうど、2回戦であたりそうな秀逸な松江高専のロボットの対戦前にVゴールの練習になったに違いない。徳山が動かすことが出来ない中、1分30秒でVゴールを決めて勝利した。

 2回戦第3試合でその松江高専Bチーム のロボット「Tri Shoooter(トライ シューター)」と対戦した。序盤の自陣ポールへ射出するところまでは良かったが、ローラー機構の射出装置に輪が詰まったのかスタートゾーンへ舞い戻って直している間に、松江に1分2秒でVゴール勝利されてしまった。1回戦と2回戦で立場が逆転したかのようで、天国から地獄へ落ちたかのようだった。調子がよければ、自陣の中央のポールを守りつつ、接戦を展開できたのではないか。 

 審査員推薦で全国大会に進出し、1回戦で近畿地区優勝の明石高専「わっさん」と対戦した。駆動輪に問題を抱えたまま試合が始まり、開始から1分過ぎまでスタートゾーンから出ることが出来ず、また輪も自陣ポールへ1本1得点しかできず、9対1で負けてしまった。明石高専の「わっさん」も自陣ポール3本を獲得するのに42秒も掛かっていたことから調子が上がっていなかったので、呉の方が調子がよければ接戦に持ち込んでひょっとしたら勝っていたかもしれない。

呉高専A Infinity-1(インフィニティ インバース) 画像URL

NHK高専ロボコン ライブストリーミング サイト 中国地区大会 出場校データチェック ページより

上記サイトの都合で画像が閲覧できないことがあります。

特徴

  • 移動システム:未確認
  • 射出エネルギー源と格納方法1:圧縮空気?(ペットボトル)
  • 射出エネルギー源と格納方法2:2次電池
  • 射出装置1:エアシリンダ押出カタパルト?(航空母艦型)(自陣)x1
  • 射出装置2:2軸2モーターの挟み型ローラー(横挟み)(汎用)x2
  • 照準/測位システム:なし(目視)
  • 通信システム:未確認
  • コントローラー:[ゲームパッド+通信デバイス拡張]x2
  • 操縦者:2名
  • 自律機能/自動機能:未確認
  • 妨害装置:あり

移動システム

 映像からは駆動輪がよくわからなかった。確認できるのは径の大きい車輪ではないことと、補助輪が比較的多いことぐらいである。

よく考えられている戦術

 自陣ポールの真ん中に対戦相手が輪を放つ前に陣取り、その真ん中のポールを死守しつつ、まずは左右のローラー機構の輪の射出装置と、自陣ポール専用の1つの輪だけ輪を放てる射出装置で、自陣ポールを同時に3本狙い、3本決めた後は左右のローラー機構の装置をパーンさせて相手陣方向に回転させて中央ポールと相手陣ポールを狙う戦術だったようだ。輪を一斉射出する対戦相手でも、大量得点をする対戦相手でも、どんな相手でも対応可能にしたのは勝利・優勝を意識してのことだろうか。

二人の操縦者

 左右のローラー機構の輪の射出装置はそれぞれ独立した制御系かもしれない。それぞれにコントローラーが割り当てられていて、操縦者を二人要するようだ*1。どちらの操縦者も射出装置だけではなく台車を操縦できるのだろうか?また、通信システムはどうなっているのか?

ローラーの回転速度

 一箇所から動かない戦術で、射出方向はパーン回転して調整可能になっているが、仰角は固定であるので、輪の飛行距離を飛び出す時の初速で調整するためにローラーの回転速度が調節可能となっていると想像する。指定した回転速度を維持するのに何か制御をかけているのだろうか?

*1:一人でも全て操縦可能なのだろうか?