ロボット名データベースのライセンスと著作権 その6
経緯を書き終え、ようやく本題に入れます。その前に先日の地区大会についての感想を書いておきます。
先日の中国地区大会と東北地区大会の決勝戦、両会場の若干不利だったかもしれないチームに千載一遇の機会が舞い込みましたが、結果が大きく違ってしまいました。中国地区大会では、広島商船は、拘りがあったのか、勝てた試合で引き分けとなり*1、再試合で負けたことで全国大会進出はできませんでした。一方、東北地区大会では、試合巧者ぶりを発揮した一関は*2、見事に優勝し、東北地区大会では最多の地区大会優勝回数と全国大会進出数を更新しました。どちらも同じように機会を与えられ、明暗が分かれてしまいましたが、特別な思惑や計略でもない限り、勝てるときに勝つというのは高専ロボコンに限らず重要なことだと思います。
著作権等の基礎知識
私自信と後継者のために知識を深めたかったのですが、必要な知識に絞り、要素ごとに注目し、備忘録のつもりで残しておきます。記事題名には「著作権」とありますが商標権など他の権利にも注意を払います。
私は法律の専門家ではありません。間違いがあれば修正を頂きたいです。コメント欄にて賜ります。疑問も同様です。一緒に調べ、考えましょう。
コンテスト名
大会名としてもよいでしょう。正式名称でいうと「アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト」、略称でいうと「高専ロボコン」です。どちらにも著作権はありません。短く、創作性がないからです。例えば、このブログで使っているように使えます。但し、商標権は設定されています:
特許情報プラットフォームの特許・実用新案、意匠、商標の簡易検索
上記で「商標」の「高専ロボコン」を検索すると1件の登録をみつけることができ、その「商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務」を見ると次のことが書かれています。
競技用ロボットの競技会の企画・運営又は開催,教育又は文化目的のためのロボットの展示会の企画・運営又は開催,ロボットの絵画展の企画・運営又は開催,ロボットの研究及び開発に関する技術振興のためのイベントの企画・運営又は開催
例えば、「高専ロボコン」と題してあのロゴを掲げて大会を開くと権利侵害となるということです。ところが、活字だけを利用するのであれば権利侵害とはならないようです。
これから公開する予定のデータベースについてはひとまず商標は関係しないので、商標(登録)などについてはこれでおしまいにしておきます。
大会名
各回のコンテスト・テーマと言い換えてもよいでしょう。2016年は「ロボット・ニューフロンティア」です。著作権に関してはコンテスト名と同様です。商標権は設定されていないようです。
キャンパス名
学校名、もしくはキャンパス名ということですが、今後はキャンパス名で統一したいと思う*3。もちろん著作権はありません。
ロボット名
創作性はふんだんにありますが、著作物ではありません。例えば、1993年第6回大会出場の長野高専「階段なんて誰が超えるか!'93」に類似のロボット名「島なんて誰が使うか!2016」と名付けても何の権利侵害もありません。
ここまでは簡単です。
大会名とキャンパス名とロボット名の組み合わせ
著作権のないもの同士を一つに組み合わせたものですが、これ単体では恐らく著作権はありません。ただの記録であるからです。大会名を開催年、キャンパス名を広く使わている略称に置き換えてもおそらく同様です。採用した略称に創作性は認められないでしょう。
大会名とキャンパス名とロボット名の組み合わせが複数並べられているだけ
これにも著作権はありません。これもまたただの記録であるからです。なんの創作性もありません。
大会名とキャンパス名とロボット名の組み合わせがある規則によって並べられている
ある規則というのが重要です。例えば、ロボット名を「あいうえお順」で並べたものであったら、偶々他に見当たらないということもあり、独創性が認められます。そしてそれは「編集著作物」とみなされ、「編集著作権」が発生します。
私が収集し記録してきたロボット名は、大会名(大会回数)、キャンパス名(キャンパス略称)、そしてキャンパスコードを伴い、組み合わせられて一つの表にまとめられています。このキャンパスコードというのは表の編集時や検索時に扱い易くするために与えた工夫の一つで、キャンパスの緯度と経度および所属する地区から生成した順序をもった番号で、学校名が変更となっても移転してもキャンパス一つにつき一つコードを割り当てています*4。これを加えたことによりいつも同じくロボット名を並べることが可能にしています。このコードを加えてしまった以上、編集著作物となってしまっていました。 公開するときには、キャンパスコードを使って並べた後にキャンパスコードの列を取り除いたものを公開すれば、編集著作物としてみなされなくなると思っています。使い易くするためです。
まだまだ書いておくべきことはありますが、今日はこの辺で失礼します。
参考
次のサイトは、2014年18歳向け(前後数歳向け?)に連載執筆されたもので、ちょうど高専生の年代に適していると思います。またそこで扱う内容は、チーム紹介ビデオ制作、ウェブサイトの運営、ツイッターでの広報活動などで参考にできると思います。*5
上記の他にも分かり易いサイトがあるので探してみるとよいでしょう。