レジェンド
最近レジェンドというのをよく見聞きします。高専ロボコン経験者の現役生、OB、そしてファン、それぞれの記憶から消えることがない印象的な活躍をした方々をレジェンド*1と呼んでいるのでしょう。私にとってのレジェンドについて書いておきたくなりました。因みにそのレジェンド達は今は全く(高専)ロボコンには関わっていないように見えます。敢えて名前などは伏せています*2。
精神的にタフなレジェンド
2016年に新型車が発売されたNSX。現在、高専ロボコンの特別協賛を担っている本田技研工業株式会社のフラッグシップカーです。その初代の試乗会(キャンペーン)は全国各地で行われる予定だったらしいのですが、そのキャンペーンが始まってまもなく試乗して全損事故を起こしたのが、一緒のチームを作って高専ロボコンに参加するようになったレジェンドでした。
火事にあったらすぐに宝くじがあたるが如く、その相棒と組んでいた私達は運よく高専ロボコンで好成績をおさめることができました。全損事故で吹っ切れていたのか、地区大会の勝利後のインタビューでは全てを予測していたかのように答えて、インタビュワーであるNHKアナウンサーを少し呆れさせたりしていました。
極めつけは、彼が卒業後にそのメーカーのグループ企業に就職したことです。私だったら近づきません。彼の精神的なタフさには恐れ入ります。
因みにこんな記事があるので、NSXの試乗車は事故を起こす何かがあるのでしょう。*3
高専時代の不遇が嘘のようなレジェンド
高専ロボコンでやり残した感じをどうしても拭いきれないような、ロボコンに参加することへの情熱が消えない方々が、主に大学生が参加する学生ロボコンに再度挑戦するということは最近では珍しいことではなくなったようです。今では高専生も参加可能ですが、昔は大学生のみの大会で、国内の大学とアジアなどのごく一部の大学を招待した規模で行われていて、大学ロボコンという名称でした。その頃から高専ロボコン経験者が大学に進学・編入学して大学ロボコンにも参加してきました。
高専時代は不遇で、誤審されたり実況アナに揶揄われていたりしたのが悔しかったのか、大学ロボコンで二連覇を達成したのが豊田と木更津のOBが加入した母校のロボコン同好会のチームでした*4。そして彼等をまとめたの方々のうちの二人が鈴鹿と呉のOBでした。いずれの方もレジェンドと呼ばずにはいられない活躍ぶりでした。木更津のOBは高専ロボコンデータべースを最初に始めたという意味でもレジェンドでしょう。
他校の先輩レジェンド
全国大会で、大会のスタッフがロボットに衝突したために、ロボットに搭載されている装置の一部が壊れ、そのために1回戦敗退寸前であったところをなんとかギリギリで勝利し、さらに決勝直前に電装系のトラブルが発生したが冷静に対処し、決勝戦で対戦した互角の能力を持つ対戦相手に一歩も引けを取らず、最終的に優勝を飾った他校のチームのメンバーもレジェンドです。リトライやリペアがなかった時代に、壊れても勝てるポテンシャルを秘めていたロボットを作り上げていたことをリスペクトせずにはいられません。
母校の先輩レジェンド
高専に入学してはいたものの高専ロボコンには参加していなかった頃、化学科の顧問に機械科と電気科の学生達という奇妙な組み合わせの即席チームで挑み、準々決勝で敗れはしたものの優勝したチームと同じタイムを出せたロボットを作り上げていた先輩達はレジェンドでした。ポテンシャルを感じさせて頂きました。「ロボットコンテスト」になってから最初の試合*5であったこともレジェンドとしたい理由です。
教え子を躍進させた流離いのレジェンド
これは推測でしかないんですが、最近急激に力をつけて自己最高の成績をおさめた二つの学校・キャンパスに注目していたら、共通するある方が浮かび上がってきました。彼は高専時代も大学時代もロボコンでは好成績をあげることはできなかったようですが、彼を教員として採用した学校やキャンパスでは、彼が去った後も自己最高の成績を更新し続け、その高まった能力を維持しているようです。実際にどのように関わりがあったのかは全く分かりませんが、情熱や技術が受け継がれたかのように思えるのです。そんな彼もレジェンドの一人としておきたいです。