高専ロボコンデータベースをつくっていくブログ

高専ロボコン第30回大会を終えてこれからも面白いロボコンであってもらいたいということで最近の高専ロボコンに感動した自分が満足できそうなデータベース構築のために情報を蓄積していくためのブログです。

岐阜高専B Quoits Zwei(クオイ ツヴァイ)

 

試合内容

  初戦、1回戦第3試合、沼津工業高専Aチームの「桜乱吹雪(サクランフブキ)」と対戦。沼津がスタートゾーンから抜け出せないでいるところを中央ポールを幾つか決めて0対5で勝利。

 2回戦第7試合で石川高専B「ポールインザリング」と対戦。自陣ポールに輪を入れる序盤、石川に若干のリードを許すものの、41秒には両者3対3の同点になり、中央・相手陣ポールでの勝負になった。石川に先に中央ポール2.5mを決められ5対3とまたリードされたが、岐阜も同じポールに入れ、1分41秒に5対5として再度追いついた。石川は中々入らない中央ポール3mを捨て、相手陣ポールを狙いだした。一方、岐阜は中央3mを諦めず、2分6秒に決め、5対6と逆転してみせてから、相手陣ポールを狙いだした。相手陣ポールを互いに狙う接戦になり、石川に1点入れられ1点差に迫られるも、岐阜はそのままリードを保ち、終了間際にもダメ押しの1点を加え、6対8で勝利した。

 3回戦第3試合に鈴鹿高専Bチームの「メカロン」と対戦。スタートさえすれば得点速度が速い鈴鹿のメカロンが有利だが、スタート直後のトラブルが発生して長引くほど岐阜の勝機が大きくなるはずだ。試合が始まってみると、鈴鹿のメカロン、またスタート直後からトラブル対応でスタートゾーンからでられず、開始30秒後にスタートゾーンを出たが、またスタートゾーンに戻っていた。岐阜の「Quoits Zwei(クオイ ツヴァイ)」はこの間に自陣ポール3本を決めてリードし、中央ポールを狙っていった。1分12秒過ぎ、トラブルを解消して出てきた鈴鹿のメカロンに、Quoits Zweiが中央ポールで3点加点した時間でVゴールまでの9点を入れられるという、およそ3倍の得点速度を見せつけられ、岐阜は負けてしまった。

岐阜高専B Quoits Zwei(クオイ ツヴァイ) 画像URL

東海北陸地区大会 出場校テータチェック ページより

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特徴

  • 移動システム:四輪オムニホイール
  • 射出エネルギー源と格納方法1:圧縮空気(ペットボトル)
  • 射出エネルギー源と格納方法2:ゴム+二次電池
  • 射出装置1:?カタパルト(自陣)x1
  • 射出装置2:ゴム引張弾性利用カタパルト(オーバースロー型)(中央・相手陣)x1
  • 照準/測位システム:ロボット搭載のカメラと距離センサーによる照準システム
  • 通信システム:WiFi(5GHz帯)
  • コントローラー:自作(ゲームパッド(地区大会)/ジョイスティック(全国大会)とタブレットPC等を組み込み)
  • 操縦者:1名
  • 自律機能/自動機能:照準システムによる射出位置への自動移動?
  • 妨害装置:なし

射出装置

 自陣ポール用射出装置は、圧縮空気をエネルギー源とし、エアシリンダーを利用していそうなのだが、それ以上のことがわからなかった。

 中央・相手陣ポールは、ポールによってエネルギー源としているゴムの伸びを変えているようだった。中央ポール、2.5mと3m、相手陣のポール、少なくとも3つの射出モードがあるに違いない。ゴムにエネルギーを蓄えるのに二次電池をエネルギー源とするモーター駆動の装置がオーバースロー型(投石器型)の腕の回転軸あたりにある。輪を装填する直前に一度腕を水平にし、輪を装填した直後にゴムの伸びをポールに合わせてさらに伸ばす順を踏む。腕を水平にしてから輪を腕に装填しないと、装填が失敗することがあったのだろうか?

照準システムと自動機能

  自陣ポールは距離センサーを用いて、おそらく自動的に移動し、ポールの前にきたら静止して輪を射出していたようだ。予め設定しておいた距離に近くなったら(想定誤差の範囲内に来たら)射出するというプログラムが施されていたのだろうか?

 中央ポールへはスローゾーンのフェンスを利用して距離をあわせ、ポールへの角度をロボット搭載のカメラからの映像で合わせていたようにみえたが、これは自動的に行われていたのかよくわからなかった。タブレットPCゲームパッドの操作をみていると、手動で合わせていたように見えたが、実際はどうだったのだろうか。

 相手陣ポールへはスローゾーンのフェンスを利用せずに輪を入れていたが、距離の検出・調整はどのように行っていたのだろうか?画面に表示されいていた長方形の枠の幅とロボット搭載のカメラが捉えたポールの幅が同じであれば、輪を入れられる距離としていたのだろうか?また、その位置あわせは自動化されていたのだろうか?それともただ単に方向だけが決められるだけだったのだろうか?

 操縦スタイルとコントローラーをみると、操縦系だけ設計または開発までをAチームの「OBROT(オブロット)」と共同で行ったように思わせられるが、コンセプトが一緒なだけで、開発内容はかなり異なっているように思える。

加筆

 ロボット本体側に5GHz帯を利用するWiFiルーターとPC、そのルーターとつながる子機をコントローラー側の(タブレット)PCとつなげて遠隔無線ネットワークを介した操縦システムの核としている。子機側PCのの末端には、地区大会ではゲームパッド、全国大会ではジョイスティクが組み込まれていた。ロボット側PCにはウェブカメラ、さらにモーターやセンサー等のための制御マイコンボードが従属しており、ロボット本体PCのみでの自律動作、コントローラー側からの遠隔操作が可能となっていた。

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