神戸市立高専A 射程犬9(シャテイケンナイン)
試合内容
初戦、1回戦第3試合で、奈良高専の「大和(ヤマト)」と対戦。調子が悪いのか調整をしていたのかわからないが、結局奈良の大和に試合終了間際にVゴールを決められて負けた。それでも自陣ポール3本に輪を入れることはできていた。
NHK高専ロボコン ライブストリーミング サイト 近畿地区大会 出場校データチェック ページより
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特徴
- 移動システム:二輪駆動タイヤ+八輪補助輪
- 射出エネルギー源と格納方法1:二次電池
- 射出装置1:2軸2モーターの挟み型ローラー(縦挟み)(汎用)x1
- 照準/測位システム:なし(目視)
- 通信システム:未確認
- コントローラー:ゲームパッド
- 操縦者:1名
- 自律機能/自動機能:未確認
- 妨害装置:なし(犬小屋は妨害装置にもなるのか?)
射出角度調整装置
ローラーの回転速度を変更・調整ができないように見えることから、回転速度は一定で、射出角度の変更で、ポールまでの距離と高さに対応しようとしている。
ローラーが取り付けられた機構部分がピッチ軸*1周りで回転し射出角度の調整が可能になっている。角度の調整機構は大径の歯弧とモーター側のピニオン(小型歯車)を中心に構成されている。射出角度の固定はどうしているのだろうか?動かさないときはモーターへの入力を短絡させてブレーキをかけているのだろうか?外のチームの実装をみると、ボールネジや単に長軸のボルトにナットを組み合わせたものを利用していて、態々ブレーキをつけるのを回避している。
ところで、「射程犬9(シャテイケンナイン)」のこの射出角度調整のための歯弧とピニオンによる構成は、大砲ではよく利用されてきたようだ(下記の3つを参照)。実際の大砲には仰角の固定はどうしているのだろうか?因みに仰角を調整する機構のことを「仰府機構」と呼ぶそうだ。
算盤を輪の射出時のガイドとして利用している。滑りが良いのだろう。
まず仰俯機構から。最も一般的と思われるのは「歯弧式」と呼ばれるもので、歯車と歯付の大きな弧(歯弧)を組み合わせたものです。歯車を回すことで、歯弧が砲耳(仰俯軸)を中心に回り、砲に任意の仰角を与えることができます pic.twitter.com/dxb9aCnCos
— えすだぶ@C89親衛撃滅大御礼 (@FHSWman) 2013年3月22日
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輪を引きずる
対戦した奈良の大和は周長4mもある輪も折り畳んだロボット内部に格納していたが、この射程犬9はそういったことをせずに、周長1.5mと3.6mの輪を完全に格納することはせずに引きずっていた。全国でもこのロボットだけだったのではないかと思う*2。
このユニークなアイディアは頭の柔軟性を感じさせるのだが、折り畳んだ奈良の大和の輪が空中で広がって理想の飛行形態、輪の形で飛んでいくのに対し、折り畳んで居ない射程犬9の輪はテストランの映像では空中で広がらずに丸まったままで、ポールに掛からず落ちていた。輪の管理を徹底していた奈良との差だろうか。輪(ホース)を床に接しておくとホースの温度が下がって柔軟性が失われるなどのデメリットがあるなど、デリケートなものだったのだろうか?*3