高知高専B はちきんに簪(ハチキンニカンザシ)
四国地区大会初戦、1回戦第1試合から登場の高知高専Bチームの「はちきんに簪(ハチキンニカンザシ)」の対戦相手は四国地区の代表的強豪にして高専ロボコン全国制覇最多記録を持つ香川高専詫間キャンパスのAチーム「Eclipse(エクリプス)」である。終始リードされ、1分過ぎに詫間にVゴールにあと自陣のあと1本とされ、途中で両者輪の装填があって一息つけるも、2分過ぎにVゴールを決められて負けてしまった。
自陣ポールへの輪の射出を担当していたあかねちゃんは輪投げが苦手なのかもしれない。
NHK高専ロボコン ライブストリーミング サイト 四国地区大会 出場校データチェック ページより
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特徴
- 移動システム:四輪メカナムホイール
- 射出エネルギー源と格納方法1:圧縮空気(ペットボトル)
- 射出装置1:エアシリンダ押出カタパルト(アンダースロー型)(自陣)x1
- 射出装置2:エアシリンダ押出カタパルト(サイドスロー型)(中央、相手)x1
- 照準/測位システム:なし(目視)
- 通信システム:未確認
- コントローラー:自作
- 操縦者:1名
- 自律機能/自動機能:未確認
- 妨害装置:なし
トロイダル
今回の課題に用いられたホースを使った輪のような、よくある例えではドーナツのような、ある一方の断面が丸い形状のことを、中空か中身が詰まった無垢かはとりあえず置いておいて、トーラスと呼ぶ。原子力や電磁気関連分野などではトーラス表面の方向に名称をつけている。説明の為にトーラス(輪)にする前のホースを思い浮かべると、ホースの円周回りを「ポロイダル(方向)」と呼び、ホースの長さ方向のことを「トロイダル(方向)」という*1。
出典:ウィキペディアの執筆者. “トカマク型”. ウィキペディア日本語版. 2015-09-04. https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E3%83%88%E3%82%AB%E3%83%9E%E3%82%AF%E5%9E%8B&oldid=56729224, (参照 2016-01-23).
「はちきんに簪(ハチキンニカンザシ)」の中央ポールや相手陣ポールを狙う射出機構が放つ輪はトロイダル方向に回転が掛かっていた。都城のウリ棒ブラザーズも輪のトロイダル方向に回転が掛かっていた。サイドスロー型で輪を棒状のモノに引っ掛けて飛ばすと、この回転がかかりやすいのだろう。都城のは驚異的な精度がある印象があったが、高知のは調整不足であったのか、その性能はよくわからない。彼らが意図的にこの回転をだしているとすれば、そのメリットは何か?輪の飛行が安定し易いのだろうか?
丸い形状のものを飛ばす課題といえば、今回の競技内容によく似た第9回大会の「テクノカウボーイ」を先に思い出してしまう方が多いだろうが、飛ばす距離からすれば*2、第6回大会の「スペースフライヤー」の方を思い出した方がよいだろう。当時の競技で使用されたプラスチック製の円盤を剛体とみなせるので、回転させたほうが角運動量保存の法則で飛行姿勢を維持・安定させられるし、実際にホールに入る率が高かった。柔らかく、剛体とみなせるのかわからない、トロイダル方向の円周の径が大きい輪を同じように考えてよいものなのだろうか?誰か思考実験と考察をしてみて下さい。