高専ロボコンデータベースをつくっていくブログ

高専ロボコン第30回大会を終えてこれからも面白いロボコンであってもらいたいということで最近の高専ロボコンに感動した自分が満足できそうなデータベース構築のために情報を蓄積していくためのブログです。

ロボット名データベースのライセンスと著作権 その2

  その1からの続きです。ちょっと枝葉末節が多く、脱線気味で、文章が整っていないと思います。また、ここ数日空いてしまったのは、ちょっと色々と面白いことがあったためです。

kosen-robocon.hatenablog.jp

経緯その2

  第10回大会あたりまで、私達による高専ロボコンの情報の収集は続いた。私は専ら自分の出身地区の情報提供だけであったが、彼(木更津高専卒)は幾つかの収集方法を利用して全地区の情報を集めていた。

 一つは主に日本の参加者が日本語で投稿していたネットニュースのfjニュースグループへの投稿である。現在では運用されているところは極めて少ないようだが、日本のインターネット黎明期には、少なくとも国立の高等教育機関では、fjニュースグループへアクセスすることができていた(はずである)。fjニュースグループのサブグループのどこかで情報の提供を呼びかけると、高専の学生や卒業生、または関係者が情報を提供してくれた。呼びかけをしなくても地区大会の翌日には大会結果が投稿されていたこともあった。

 もう一つはWebNEWsというBBS(掲示板)を設置・運営したことである。同名のソフトウェアが現存しているが、このWebNEWsはプログラミング言語Cで書かれた現在頒布されていない供給源のないソフトウェアである*1。このWebNEWsは、今では速度を期待しないサーバーでしか使われていないかもしれないが、外部ソフトウェア起動する当時のCGIプロトコル/実装を利用したBBSであり、私達はSun SPARC Workstation(Sun OS 4.x)上で研究室の研究生活に影響が及ばないように運営していた*2。WebNEWsを選択したのは処理が速く、負荷が低かったからだ*3。WebNEWsのおかげで、fjニュースグループの存在を知らない・投稿をしない方でも気楽に情報提供と双方向のコミュニケーションが行えたので*4、fjニュースグループよりも幾分か多くの高専ロボコンの情報を得ることができていた*5

 因みに、WebNEWsを開発し、オープンソースソフトウェアとして公開していたのは、当時東京大学工学部機械情報学科の学生であった倉光君郎さんである。現在は横浜国立大学でアカデミックにご活躍されているようである。私(達)は当時から、情報集めをするのにオープンソースソフトウェアの恩恵を受けていたのである。届くか分からないが、倉光さんにはこの場を借りて謝意を表したい。「有難うございました。」

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 少し脱線するが、思い出したついでに書いておく。学内にも日本中で(世界的にも?)有名かもしれないソフトウェア、例えばPPxPなどのPPPというプロトコルでインターネット接続等をするためのソフトウェアを開発していた方々は居たが軽量迅速なBBSを運営するためのソフトウェアはなかった(はずである)。私達自身が開発することもできたかもしれないが、力がなく、私などは友人が作ったxbakuzan*6という後のxshodoの元となったソフトウェアや、大学の外周道路を忠実に再現した仮想の道路でレースをするゲームの評価をしていただけである。今から当時を眺めると、同じ系列の向いの研究室が某料理番組のファンサイトやインターネットブックメーカーといったサイトを運営していたこともあり、当時なりの高専ロボコン専用のSNSサイトを構築できる環境とノウハウがあったのに遊び呆けていたも同然だったのかもと少し悔やんでいる。

 大学での情報収集も、私達の就職・進学が近付くにつれて運営が困難になっていった。これは当然避けられないことであったが、後輩達に託せる可能性はあった。しかし、研究室の長である教授が他大へ移籍することが伝えられ、その可能性が無くなってしまった。研究室が閉じられ、当然収集するために使っていたウェブサーバーも無くなり、収集した高専ロボコンの情報もインターネット上から切り離された。彼が可搬可能な記録媒体に移動していたかどうかわからないが、集めた手間も顧みられず水泡に帰したと思っていた。

 同じころ、NHKロボコンのサイトが開設され、掲示板もあったのだが、掲示板を閉じる理由になったかもしれないロボコンに対する批判的な投稿や多かったためか、閉じられてしまい、情報交換の場はなくなっていた*7。今から思えば、その掲示板で大胆にロボット名の投稿を呼びかけていても良かった。何故しなかったのかが不思議である。

つづく

*1:一方現存するWebNewsはプログラミング言語Perlで書かれ、ブラウザ上でネットニュースを読むためのものであり、これとは異なる。

*2:私達といっても、導入と運営主体を務めたのは専ら木更津の彼である。

*3:当時は正規表現で云々するといった処理が必要なかったので、あらゆる意味で軽量にCで作られたものを選択するのは間違いではない。

*4:当時のfjは作法に厳しかったので投稿を控える方がいたようです。また、メールアドレスを明示しての投稿しかできなかったので、匿名で投稿したい方、個人のメールアドレスを持ってなかった方には適さなかったようです。当時は個人のメールアドレスを持つことがまだ一般的でなかった時代なのです。

*5:勿論大学ロボコンが主体でした。

*6:昔、焼酎のTVCMに書道家のバクザン先生という方が出演されていて、あまりにもインパクトが強かったので名付けたらしい。本名は榊莫山youtubeにありました:榊莫山先生 よかいちCM - YouTube

*7:時期の重なり具合を思い出せないので、正確なところはわかりません。