広島商船高専A ヘリアンサーS(ヘリアンサーエス)
パソコン事業を売却してしまったIBMはまだCAD事業を行っていたんですね。そう、MICRO CADAMのことです。SOLID WORKSとも連携できるようですね。
試合内容
初戦、1回戦第4試合、大島商船高専Bチームの「おおしまアワサンゴ」との対戦。試合が開始されても、広島商船高専のヘリアンサーSはまだ輪の装填中であった。大島商船に1点先制されるも1分で1対1の同点に追いつき、1分44秒で1対2で逆転、2分14秒には先に自陣ポールを3本とも獲得し、畳まれた大きな輪で中央ポールの複数本掛けを狙ったが失敗、同点に追いついていた大島商船に引き分けに持ち込まれ、審査委員判定2対1で負けてしまった。
広島商船高専A ヘリアンサーS(ヘリアンサーエス) 画像URL
NHK高専ロボコン ライブストリーミング サイト 中国地区大会 出場校データチェック ページより
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特徴
- 移動システム:二輪サーボ操舵駆動輪+二輪補助輪
- 射出エネルギー源と格納方法1:圧縮空気(ペットボトル)
- 射出エネルギー源と格納方法2:ゴム?
- 射出装置1:エアシリンダ押出カタパルト(航空母艦型)(自陣)x1
- 射出装置2:ゴム引張弾性利用カタパルト(パンタグラフ型)(中央)x1
- 照準/測位システム:なし(目視)
- 通信システム:wifi(2.4GHz/5GHz)?
- コントローラー:タブレット端末
- 操縦者:1名
- 自律機能/自動機能:未確認
- 妨害装置:あり(パンタグラフ型の射出機構を広げたるとそのまま防御装置になる)
幾つもの珍しい組み合わせ
今回の大会の場合、トーナメントで勝利しようと思ったら、多くは、一斉射出型、守備しながら大量得点型、同じく守備しながらの素早い狙撃型の3つのタイプを起草し、自律・自動制御系と手動コントローラーには保守的なものを選択する傾向があっただろう。広島商船のヘリアンサーSは大量得点型に分類してもよいのだろうが、他のチームとは戦略が少し異なっているのではないかと想像している。相手陣ポールでの得点を捨てているかもしれない。中央ポールに3本掛けをして10点加点し、合計13点を死守すれば勝てると考えたのであろう。相手陣ポールを狙わない分だけ、中央ポールの射出装置と、通信・操縦系統に注力したのではなかろうか。
中央ポールの3本掛けにはパンタグラフを伸ばすように輪を飛ばす機構が用いられていて、末端の網に畳まれている大きなを広げながら飛ばす予定であった。試合では披露できなかったし、試合をリードしていたのに審査員に好まれなかったのはテストランでも上手くいってなかったからかもしれない。他のチーム・ロボットと全く異なる点は、輪の射出という攻撃をした後、相手の輪を自陣ポールに入れさせない盾、すなわち防御装置になることである。おそらく、全国でも唯一ではないだろうか。
コントローラーに7-8インチ程度のタブレット端末を用いていた。これにより通信システムはWifiの2.4GHz/5GHz帯か、Bluetoothの2.4GHz帯ぐらいしか選択肢がないので、おそらく2.4GHz帯を利用したシステムなのだろうと想像はできる。また、指で独特の画面を操作をしていたので、アプリを作りやすいAndroidタブレットを利用していたのではないかと思う。
組み合わせとしても他のチームにあまりみない構成であるので何がしかの意欲を感じて賞賛したいのだが、タブレット操作に二輪のサーボ操舵駆動輪は、この大会のルールには適していなかったように思える。タブレット操作はどちらかというとコマンドを与えたり、凡その指定をするに留めるべきだろう。一定時間内に処理を終えられることが保障される「リアルタイム性」が必要なところには向いていないだろう。ロボコンはハードなリアルタイム性が要求されるからだ*1。ところで、当初は自動化・自立型を目指していたのだろうか?
*1:ロボットに搭載されている制御系・操作系だけではなくて、操作(オペレーション)も含めて、処理が終えられないと致命的、つまり試合に負けることがあることから、ハードリアルタイム性がありますよね。