四国地区大会の注目点?
久々にブログを連投していますが、現役の参加者には関係のないことが主題なので、盛り上げに加担できません。そこで大会期間中は関心がもたれそうなことを期待と妄想、独断と偏見を織り交ぜて少しばかり書いていこうと思います。
今月7日に四国大会が行われますが、四国と言えばやはり詫間キャンパスがきになります。私は詫間のチームには勝つことへの飽くなき追求をいつも感じます。その追求のため、彼等の試合毎にエンターテイメント性が増減することがありますが、そうしたところがこれまで魅力的であったと思っています。しかし、今大会からは要求されるロボットの性質や課題の難易度が変わったため、彼等のこれまでの魅力がなくなっていくのではないかと思っています。ただ、今回の課題に限っては、既に半分程度の基礎的なことが学内で蓄積されていたという事実を発見して少し驚いています。その少しの驚きというのは、学内向けまたは広報用の研究紀要に掲載され続けていた*1 次の二つの論文で著された研究です。
- 木下, 新原, 丹下 : "RCサーボモータを用いた6自由度肩義手の協調動作制御システムの開発", 詫間電波工業高等専門学校研究紀要, 第35号, PP.33-44, 2007
- 木下, 高橋, 久本, 西山 : "高トルク・軽量なRCサーボモータを用いた6自由度肩義手の開発", 詫間電波工業高等専門学校研究紀要, 第35号, PP.45-52, 2007
論文は2007年から掲載され始め、毎号少しずつ進歩しているので、研究が継続されていたと推測します。残念なことに同紀要への掲載が2015年以降ありませんが、2014年までの論文*2に非情に興味深いことが書かれています。
- ボールを投げることができる
- 繰り返し回数は不明だが、ボール投げを毎日8時間3年間続ける耐久試験を行って一ヵ所少し曲がっただけだった
- 500gのペットボトルを持たせて繰り返し動作実験を行って強度問題箇所を特定できている
義手の研究であるにも関わらず、まるで今回の課題のために研究されていたかのように感じてしまいました。また、この研究をされてきた木下敏治氏はチーム顧問である三崎幸典氏*3と同じ電子システム工学科に所属しています。
放物線軌跡を描かせることを基本にバネや圧縮空気でペットボトルを投げ飛ばすところが多いでしょうが、まるで人間の腕が放つように6DoF(6自由度、six degrees of freedom)を持つ機構がペットボトルを放つ、さらに投げ飛ばす対象*4が取り得る6DoFの動きまで与えられたらロボコン的な浪漫があると思います。またそれをあの詫間がやるのかどうかというところも非常に興味が持てます。
いずれにせよ、開発期間の不利がある今大会最初の地区大会なので、他地区に負けず劣らずのロボットが登場することを期待します。
因みに、最近6DoFといえばVRを思い出したので、あまり関係ありませんが、イラストを冒頭にいれてみました。また、「うちもこういうのやってましたよ」というところがあればコメントを寄せて下さると有難いです。