石川高専A WoF(ウォフ)
第29回大会のテーマ発表までに全チームの記事を終わらせようと思っていましたが、恐らく間に合わないので、1日1チームずつぐらいのペースを維持します。
ところで、高専ロボコンで使われている無線とコントローラーに関する資料を某ページにあるとおりに集めてみたのですが、まだ手に入りやすいようですね。そうした資料は5,6年前に発表されていました。当時から実戦投入できたチームや最近ようやく技術会得したチームも増えてきているようですから技術的には当たり前ですし、古くて枯れた印象を持たれるでしょうが、データベースの情報源としては価値は高いです。後日、このブログでも扱おうと思っています。*1
試合内容
初戦は2回戦第3試合、岐阜高専Aチームの「OBROT(オブロット)」と対戦。石川高専の「WoF(ウォフ)」は開始直後10秒ほどスタート地点から動かなかったが無事にスタートゾーンから出て行った。スタートの差だけが影響したわけではないが、開始35秒で岐阜に自陣ポール3本を決められて3対1とリードされてしまっていた。その後お互い初戦ということもあり、51秒に石川が自陣ポール二本目を決めてから、両者調整不足なのか、輪が入らなかったりリペアのためにスタートゾーンへ戻ったりしていた。1分38秒に岐阜が中央ポール2.5m左に決め、そのあとスタートゾーンへ戻ってから、石川の相手陣ポールを狙っていた。一方、石川のWoFは2分22秒にようやく自陣ポール3本目に輪を入れ、直ぐに180度方向転換して相手陣ポールを狙った。すると2分36秒、37秒と連続して輪を入れ、逆転に成功。そのまま続けて輪を放ってさらに2点追加してあっという間に岐阜を引き離し、試合が終わってみれば、4対7の鮮やかな逆転勝利であった。この連続して4点加点した30秒程がこのロボットが輝いてたいた時だろう。
3回戦第2試合では福井高専Bチームの「福輪来(フクワクル)」と対戦した。開始52秒で3対1と、またもや石川は序盤でリードされてしまう。その後、両者ともにスタートゾーンに戻ったりして調子が悪かったようだが、福井は復調して得点を重ねていくが、石川は装填装置の輪の装填が正常に動作しなかったり、また、そのためであったのか、射出装置が曲がってしまい、正常に輪を飛ばすことができなくなり、中央ポールで得点していた福井に5対2で負けた。
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特徴
- 移動システム:二輪駆動タイヤ+四輪補助輪
- 射出エネルギー源と格納方法1:圧縮空気(ペットボトル)
- 射出装置1:エアシンリダ押出カタパルト(オーバースロー型)(汎用)x1
- 照準/測位システム:未確認
- 通信システム:未確認
- コントローラー:未確認
- 操縦者:1名
- 自律機能/自動機能:未確認
- 妨害装置:なし
移動システム
「輪花繚乱」にはWoFで採用したような移動システムは、照準・測位と射出のシステムによっては、適していないと思う。照準・測位をしなくても良いような幅のある機体ではあるが、射出速度の微調整がおそらく出来ないことから、射出位置(ポールまでn距離)を調整したくなるが、それがメカナムホイールなどに比べると容易ではない。また、初戦の終盤に見せた相手陣ポールへの連続加点時の射出位置へは奇跡的に移動できたのか、それとも再現性が高かったのか、教えて欲しい。*2
汎用カタパルト
カタパルトに置く輪の位置によって輪の飛行距離などを調整している。全国でもユニークな機構を採用している。輪の直径は全国を見渡してもかなり小さい方であるにも関わらず、初戦で見せた相手陣ポールへの連続加点は鮮やかであった。30秒ほどで相手陣の同じポールに4点入れたチームはあっただろうか?その一方で、自陣ポールへは中々入らなかった。輪の装填時にカタパルトに置く位置がずれることが最大の要因だろう。また、輪のピッチ回転が最適ではないように見える。同じくピッチ回転で輪を入れていた福井高専の「Mr.イカフライ(ミスターイカフライ)」は自陣ポールにはピッチング回転させない方式を採用している。輪の大きさにもよるのだろうが、物理的に輪が入り難くなる、ピッチング回転を適切に変化させられないなどデメリットがあるのだろう。*3
個人的にはこういうシンプルな機構のロボットが好きであるが、センサーやカメラを沢山載せ、最近流行りの人工知能機能を実装し、完全に自律させて試合させたりすると面白いと思っている。このロボットにはそのためのスペースが空いている。